屋根瓦にはどんな種類がある?屋根瓦ごとの特徴と価格を比較!
日本の伝統的な建築スタイルには、美しい日本瓦が欠かせません。また、近年ではデザイン性の高い洋瓦も人気があり、洋風建築にもおしゃれな瓦が使われています。この他にも、屋根瓦には様々な種類が存在します。本記事では、異なる屋根瓦の種類とそれぞれの特徴、価格について解説するので、理想的な屋根瓦を選ぶ際に参考にしてください。
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屋根瓦の種類
瓦は、耐久性、遮音性、断熱性が高く、さまざまな機能性を兼ね備えた屋根材として人気があります。ここでは、「粘土瓦」「セメント瓦」「樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦」と大きく3つの種類に分けて、主要な屋根瓦の種類や特徴、メリット、そして価格を紹介していきます。
粘土瓦
粘土瓦とは、その名の通り粘土を高温で焼き上げて作る瓦の事を指し、自然な風合いや絶妙な色合いが特徴的で、伝統的な日本家屋にもよく使われる屋根材です。屋根瓦の中でも特に耐久性が高く、寿命が50年以上あるとも言われています。ここでは、「陶器瓦」「いぶし瓦」「素焼き瓦」の3つに分けて粘土瓦を紹介するので、屋根材を選んでいる方は参考にしてください。
陶器瓦
陶器瓦は、かたどられた粘土に釉薬を塗ったうえで焼き上げるため、好みの色を出しながら滑らかで光沢のある表面になり、建物に上品で風格のある印象を与えます。また、陶器瓦は耐久性に加えて、防水性にも優れているため、雨水や湿気から建物を守ります。価格については、屋根材を新しく陶器瓦にする場合、1平米あたり約5,000~15,000円かかると考えておくと良いでしょう。
いぶし瓦
いぶし瓦は、粘土の形成が終わったら釉薬を塗らずに瓦を焼き始め、焼き上げの最終段階でいぶすことで黒と銀色が混ざった色合いを出し、古びた雰囲気を再現します。神社やお城の屋根でよく使われていることからも分かるように、建物に風格や歴史的な魅力を与えることができます。いぶし瓦は屋根瓦の中でも特に高級なものなので、1平米あたり約8,000~18,000円ほどかかります。
素焼き瓦
素焼き瓦とは、釉薬を塗ったりいぶしたりせずに、形成された粘土をそのまま高温で焼き上げて作る瓦の事を指します。そのため、粘土本来の赤味がかった色合いが特徴的で自然な風合いと温かみを持つ屋根材となります。粘土瓦の中では最も軽量でありながら、耐久性を持ち合わせているため、使いやすい屋根瓦です。1平米あたり約5,000~9,000円とお手ごろな価格となっています。
セメント瓦
セメント瓦はセメントや砂、水を主成分に人工的に作られた瓦であり、自由に形状を変えたり均一なサイズで大量に制作したりできます。粘土瓦と比べると耐久性は若干劣りますが、それでも30~40年の耐用年数を持つ屋根材です。
セメント瓦の場合、出来上がってから塗装で色を付けていくため、定期的に再塗装のメンテンスが必要となります。価格は、製造プロセスが比較的シンプルで、材料の入手も容易であるため、1平米あたり約5,000~10,000円です。
樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦
樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦は、軽量でありながら高い強度と耐久性を備えた比較的新しい屋根材です。このタイプのセメント瓦は、セメントに樹脂と繊維を混ぜ込むことで、軽量化と耐久性の向上を実現しています。その結果、施工時の取り扱いや運搬が容易になり、建物への負担を軽減します。価格は、1平米あたり約8,000円程度と考えておくと良いでしょう
屋根瓦の形状の種類
J型、F型、およびS型は、屋根瓦の形状の代表的な種類です。J型のJは、Japaneseを意味しており、美しい曲線と流れるようなラインが特徴です。この形状は、風や雨を効果的に逃がし、屋根に対する負担を軽減します。F型のFは、Flat(平らな)を意味しており、その名の通り平らでスッキリとしたデザインです。
S型のSは、Spanishから来たものと考えられていて、波打つような曲線が特徴的で、洋風の建物によく似合う美しい屋根の装飾になります。相場価格は、1平米あたりJ型が9,000~12,500円、F型が7,000~16,000円、S型が5,000~13,000円です。
まとめ
屋根瓦にはさまざまな種類があり、それぞれ独自の特徴と価格を持っています。今回は「粘土瓦」「セメント瓦」「樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦」の3つを紹介しましたが、どれもデザイン性や性能、形状、価格など異なるものでした。屋根瓦の選択は建物の外観や耐久性に大きく影響するため、予算と好みを考慮しながら適切な選択を行うようにしましょう。